広々テラスと居心地の良い空間デザイン | 人が集まる癒しの場所HYGGELIG

お店の名前が意味するものはデンマーク語で『居心地が良い』という意味の言葉です。

その言葉にマッチするということ・モノをなるべく丁寧に積み重ねて、打合せが進められました。

僕の場合、『人が集う』ということに関して言うとイタリアという国や、そこに住む人々がイメージについて回ります。

それもあり、今回はこの辺りではあまり見ないような広いテラス席をご提案しました。事前には受け入れて頂けるかどうか心配な部分もありましたが、すぐにOKのご判断も頂け、さらに嬉しいことにファイヤーピット（テラス席中央に設置された火を見ながらテラスで遊べます）のご提案も快諾頂けました。

本当に有難きパートナー様との二人三脚での施設作りは大変楽しい冒険になりました。

勿論今回のご依頼の前に、弊社は住宅作りやどちらかというとコンパクトな商業施設の設計・施工の実績はありましたが（飲食店・美容院の実績はあります）、ここまでの規模の建物ってナカナカ無く、『不慣れなこともありますが宜しいですか？』という内容の話し合いもありましたが、お施主様側はそこは問題にされておらず、大きなご信頼を頂いた上で色々なことが進められたのも大変有難く、機会を作って頂けましたお施主様には感謝ばかりです。

上記の通り、僕の場合はイタリアでの見聞きしたことが多い訳ですが、イタリア以外でも欧米の方々がきちんと整備されたテラス席以外でも、屋外でお茶やお食事を楽しんでいます。

僕たち日本人でも、週末に友人とBBQしたり、屋外でご飯を食べることの気持ち良さは良く知っているけれど、なかなか日常にそういった機会が少なかったり、人が集まるということは難しい場合が多いように思います。

それらを突破できるような素敵なテラス席が出来たように感じています。

これから先、こちらのHYGGELIG様が『あのテラスが気持ち良いお店だよね』といった感じで地域から認知されることを願ってやまないです。

また、専門的に勉強したわけではありませんが、我々アジア人は眼球の色が黒いため欧米の方より眼球への光の透過が少なく、欧米の方から見ると『日本の建物は明るすぎる』と言われることも。

それも含め、建物内は数十のパターンで明るさが切り替えられるようにし、テラス席は少し暗めに照明計画を実施しました。

三重県でも、『大人がテラス席でゆっくりワイングラスでも傾けながら語り合っている姿が見たい！』そんな想いもあった今回のご提案でした。

意図的に長く計画したアプローチは、『ここからいつもと違う空間に入っていくスイッチになれば』と願ってとなっています。

施設へ入ってすぐのホールは受付と待合です。そこに今回多く使ったオーク材（木材の種類がオークとなっております）の耳付きのテーブルを製作させて頂きました。

このテーブルは、人の手の入った形跡をなるべく少なくし、自然な風合いが前面に来るようにとの意図で、元の木の形が残る『耳付き』でテーブル製作させて頂いています。

天井高６ｍを誇るメインホールはテラスに向けて大きく開いております。

反対に幹線道路に対しては完全に閉じて、外部からは『いったい何の建物？』と思って頂けるように計画しておりますので、待合からメインホールへお入り頂く扉を開けた時に、インパクトの強いメリハリを付けていきました。

（その意図もありメインホールは窓を設置せず光が入らないようにしてあります）。

また、幹線道路に対しては閉じ、テラスに向かって大きく開くことで、プライベートな空間を実現できたものと考えております。

また、弊社が元々材木店であること、ＨＹＧＧＥＬＩＧ様のコンセプトの親和性の高さから、仕上げにも多くの材木を使用させて頂いております。意図的に外した部分もありますが結構な部分において『人が触れる部分は木で』というのを端的に感じて頂けるのは、こちらの１枚ではないかと思います。

建物の使用目的に合わせＢＡＲ　ＳＰＡＣＥも設置しました。こちらも家具から専用設計させて頂き、木材で製作しています。

狙いを付けて、テーブルに上手く照明が当たるように数日にわたり夜中セッティングをしたのも良い思い出です。

照明に関しまして住宅でもいつも同じことをお話させて頂くのですが、『何をどのように、どんな目的をもって照らすか？』本当にそこに尽きると思っています。

ただ、住宅と商業施設では使用目的に幅がありますので、リモコン操作で色々な照明のシーンを呼び出せるように計画されています。

トイレにも木材を使わせて頂きました。これも製作で作られた部分が多い全体となっております。

多くの良い思い出が、この場所で沢山作られることを願ってやみません。

建物・テラス・植栽と僕自身が頭の中で『いつかできると素敵だなぁ』と思い描いてきたものを、本当に多く実現できたと自負のあるＨＹＧＧＥＬＩＧ様。地域から愛される建物、施設になってくれることを強く願っております。