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地震・台風に強い家づくり!三重県特有の災害リスクに備える

公開日:2025/01/31(金) 更新日:2025/01/31(金) 家づくりコラム
はじめに

日本は地震や台風など、自然災害のリスクが高い国と言われていますが、とりわけ三重県は南海トラフ巨大地震の被害が懸念されている地域のひとつとされています。

 

また、太平洋に面している地域が多いため、台風の通過時には大雨や暴風による被害リスクも高まりやすいと言われます。

こうした災害リスクを念頭におくと、「安全で安心できる住まい」をつくるためのポイントを知っておくことは、家づくりを考えるうえで非常に大切だと考えられます。

 

今回は、地震・台風に強い家づくりを実現するために意識したい要点について考えてみましょう。

 

 1. 三重県が抱える主な災害リスク

南海トラフ巨大地震

南海トラフは、静岡県沖から九州沖にかけて存在する海溝で、この付近で大きなプレート型地震が起きると非常に広範囲にわたって大きな揺れが発生する可能性があるとされます。

三重県はこの震源域に近いため、地震による揺れだけでなく、津波被害が心配される地域も含まれています。
国や自治体は対策や避難計画を進めていますが、個々の住宅レベルでも耐震性能の強化や津波に備えた避難ルートの検討など、日頃から備えておくことも大切です。

 

台風の進路

三重県は太平洋に面しているため、台風が上陸あるいは接近する際に、暴風雨や高潮などの影響を受けやすいといわれています。特に夏から秋にかけては台風シーズンが重なり、強烈な風と雨で住宅が損傷する被害も報告されています。
瓦などの屋根材が飛ばされたり、窓ガラスが割れたりする被害も出たこともありますので、風や飛来物への対策は家づくりの大切なポイントのひとつになります。

 

大雨・洪水・土砂災害

近年はゲリラ豪雨や線状降水帯の発生など、局地的に短時間で大雨が降るケースが増えており、三重県内の一部地域でも、河川の氾濫や土砂災害による被害が報告されたことがあります。

家を建てる土地が洪水ハザードマップでどのように指定されているか、土砂災害特別警戒区域ではないか、地盤の性質に問題はないかなど、災害リスクを事前に調べておくことが大切だと言えます。

 

2. 地震に強い家づくりの考え方

耐震・制震・免震の違い

地震に対する住宅の構造方法は、大きく「耐震」「制震」「免震」の3つに分けられることが多いです。

 

耐震

建物自体の構造を強化し、地震の揺れに耐えられるようにする考え方。

木造住宅では、建物外周を耐震パネルで囲ったり、金物接合などをしっかり行い、筋交いなどを適切に配置するなどがポイント。

 

制震

揺れを吸収するダンパーなどの装置を取り付けて、地震のエネルギーを和らげる。

耐震構造をベースにプラスアルファで制震装置を設置するケースが多い。

 

免震

建物と地盤を切り離し、地震の揺れを建物に伝わりにくくする考え方。

大規模な建物に採用されることが多いが、最近は戸建て住宅でも取り入れる場合がある。

三重県のように大きな地震が想定される地域では、これらの方法を組み合わせたり、どの方法が自分の予算やライフスタイルに合うかを検討することが大切だと考えられます。

 

地盤調査と基礎の選択

地震対策の重要なポイントとして、「どんなに頑丈な構造でも、地盤が弱ければ意味がない」という考え方があります。建物を支える地盤が弱いと、地震の揺れで建物が傾いたり沈下したりするリスクが高まることが懸念されるからです。

 

そのため、地盤調査は建築前に必ず実施し、必要に応じて地盤改良を行うなどの対策を検討すると良いとされています。また、基礎の種類(ベタ基礎、布基礎など)をどう選ぶかもポイントです。ベタ基礎は建物の底面全体で荷重を支える方法で、耐震性能の面で優れているとされる反面、地盤改良の有無や土地の条件によって最適解は変わるため、専門家と十分に相談する必要があります。

 

3. 台風・暴風に強い家づくりのポイント

屋根材と施工方法

台風の強風で飛ばされやすい屋根材の例としては、昔ながらの和瓦などが挙げられます。とはいえ、近年では耐風性の高い金具留め工法や、軽量で飛びにくい金属屋根材を採用するなど、施工方法次第で被害を最小限に抑えやすいと言えます。

 

窓ガラスやシャッターの重要性

台風時に一番被害が集中しがちなのが窓周りです。強風で飛来物がぶつかってガラスが割れたり、風圧で窓が外れたりすると、室内の安全確保も難しくなります。

そのため、耐風性能が高い窓ガラス(二重ガラスや防犯ガラスなど)を選ぶ、窓にシャッターや雨戸を設けるといった対策が効果的だと考えられています。最近では、電動シャッターも普及しており、急な台風接近でもボタン一つで窓を保護できるという利便性が評価されているようです。

 

外壁材と防水・シーリング

暴風雨にさらされる外壁は、防水性能が大きなポイントとなります。サイディングやALCパネル、塗り壁など、種類によって特徴が異なりますが、いずれの場合でも、継ぎ目やサッシ周りのシーリングが劣化していると雨漏りが発生する可能性があります。

また、台風時には横殴りの雨が壁に吹き付けるため、軒の出(庇の長さ)だけでは防ぎきれない場合があります。定期的な点検やメンテナンスを意識し、気になる部分があれば早めに補修を行うと被害を最小限に抑えやすいでしょう。

 

4. 大雨・洪水・土砂災害への備え

ハザードマップの活用

自治体が公表している洪水ハザードマップや土砂災害ハザードマップは、土地選びや住宅設計をする上で重要な参考資料になります。想定される浸水深や、土砂災害の危険区域かどうかを確認するだけで、家づくりの方向性が大きく変わることもあります。

また、建築基準法や各自治体の条例では、土砂災害特別警戒区域などでは一定の制限や強化された構造が求められる場合があります。これらは必須の要件ですので、設計段階で注意が必要です。

 

排水計画と外構対策

大雨が続くと、敷地内に雨水が溜まりやすくなるケースがあります。周囲よりも土地が低かったり、水はけの悪い地質だったりする場合は、排水が追いつかずに浸水リスクが高まることもあるようです。

駐車場や庭の舗装材を透水性のものにしたり、雨水を貯留できるタンクや浸透桝を設置して公共下水へ一気に流さない工夫をしたりと、外構レベルでの対策も家づくりには大切です。長期的には、都市の水害を軽減する「グリーンインフラ」の一環として考えられており、自治体によっては補助金を利用できる場合もあるようです。

 

家電や設備の設置場所

洪水対策として、給湯器やエアコンの室外機など、水没すると故障しやすい機器を高い位置に設置するケースもあります。もし敷地の段差などを活用できるのであれば、雨水が入り込みにくい場所や高さに設置できるよう検討すると、万一のときの被害を減らせるかもしれません。

床下に設備配管を集中させる場合でも、近年は基礎断熱や床下点検口の設置などにより、床下環境が改善されている事例も多いです。計画段階で洪水時のリスクをイメージしながら、設備の配置を考えることが望ましいでしょう。

 

 5. 住まいを守るためのメンテナンスと情報収集

定期点検・メンテナンスの必要性

地震や台風といった災害に備えるために新築時の構造や設備を強化しても、年数が経過すると経年劣化や自然環境によるダメージで性能が落ちていく可能性があります。そのため、定期的な点検とメンテナンスが大切だと考えられています。

具体的には、外壁のヒビ割れ・シーリングの剥がれ、屋根材や樋の異常、基礎のひびなどを専門家に確認してもらい、必要に応じて修繕を行うことが推奨されるでしょう。

 

保険と防災グッズの準備

住宅の構造だけでなく、火災保険や地震保険、さらには台風・水害リスクを補償対象とした特約なども検討することで、万が一の被害時に備えることができるかもしれません。また、避難生活や一時的なライフラインの停止に備えて、防災グッズや非常用食料・水、発電機などを用意しておくことも必要だといわれます。住まいだけでなく、そこで暮らす家族の安全と安心を守るための備えが大切です。

 

最新情報の収集と専門家への相談

地震や台風の対策は、建築技術や法令の改訂などにより日々アップデートされています。国や自治体の補助金制度が拡充される場合もあるため、家づくりの計画中、そして完成後も、定期的に情報をチェックすると良いでしょう。

 

 6. まとめ:三重県特有の災害リスクに備える家づくり

三重県で家を建てる場合、南海トラフ巨大地震や台風、大雨による水害などへの備えが欠かせないと言われています。

安心して暮らすためには、以下のような視点をバランスよく押さえておくことが大切です。

 

  • 地盤調査と耐震設計
  • 地盤の強度を把握し、必要に応じて改良や適切な基礎工法を採用する。
  • 耐震・制震・免震などの構造を比較検討し、予算や希望に合った方法を選ぶ。
  • 台風・暴風対策
  • 屋根材の固定方法や窓ガラスの性能(複層ガラス・防犯ガラス)を確認。
  • 窓シャッターや雨戸、外壁の防水処理などをしっかり検討する。
  • 大雨・洪水・土砂災害への配慮
  • ハザードマップや土地の標高、排水計画に注意し、外構設計を進める。
  • 設備機器の設置場所を高めに設定するなど、浸水リスクを低減する工夫。
  • メンテナンスと保険の活用
  • 定期的な点検・修繕で建物の性能を維持し、被害を最小限に抑える。
  • 火災保険や地震保険などを活用し、経済的リスクにも備える。
     

家づくりの際にはデザインや間取りも大切ですが、災害リスクへの対応は暮らしの安心・安全を支える大きな要素といえます。

特に三重県のように自然豊かな環境であればこそ、自然災害と上手に向き合う姿勢が必要と考えられます。

 

「災害が来たときだけでなく、普段から安心して暮らせる家」を目指すことで、長い目で見て家の価値や家族の安心感が高まるのではないでしょうか。

 

設計士や工務店、行政などさまざまな専門家の意見を取り入れながら、三重県特有の災害リスクに対応した安心できる住まいを実現していただければ幸いです。

ご相談もぜひお待ちしております!

 

  


 

三重県で注文住宅を建てるリビングモチーフキキです。

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