形態は機能に従う(FORM FOLLOWS FUNCTION)と言ったのはルイス・サリヴァンでしたが、これはまさに我が意を得たりと感ずる一言で、これ以上的確に建築を考える時に拠り所とするべき表現ってチョット無いと個人的に思っておりますが、そのいわゆるモダニズムのカウンターとして(勿論時代背景も強く影響しているのでしょうが)、後にポストモダーンと言われるデコラティブな建築が大流行りしたことは90年代に学生時代を過ごした身としては記憶に残るところであります。
その後は北欧・中南米の建築に代表されるようなローカルながらユニバーサルな思想を背景に持つ建築も一部で見直されたりしたところというのが、ここ数十年のデザイン系譜のように感じたりしています(ここでいうローカルながらユニバーサルな価値の提供をしてきた建築家の代表と言いますと吉村順三、アルバ・アアルト、ルイス・カーン、カルロ・スカルパ、ルイス・バラガンあたりでしょうか)。
結果的に時間の淘汰を経て、色々な人の手や目を通し濾過された建築的情報のもっともすぐれた部分のひとつとして、『人の住む場所の建築は(要は家など)、その土地を知る人によって計画されたその土地の職人と材料で作られた建物がやはり優れたものであることが多い』というひとつの結果に到達したように思います(その建築物がどれほどユニバーサルな背景を持つかは桂離宮を見たブルーノ・タウトのような人からの発信が必要になるのも知れませんね)。
今回は少し硬い話になってしまっていますね。。。
本BLOGで共有できれば嬉しいな、と思うところは、一部を除き住宅建築はこれまでデザインの為のデザインをしてきたわけではなく、地域性と言うことに配慮し、必要な機能の追求の結果としてのデザインが残ったということなんです(分かりやすい事例が各国の民家かもしれませんね)。
ファストファッションがもてはやされる時代に、時代遅れな考え方かもしれませんが、最近は家のデザインがファッション的に消費されているように感じるところもあり、そのデザインがお施主様に本当の意味で為になる、最低でも20年とか30年とかいう時間軸に耐えうる意匠になっているのかなと思っての今回のBLOGでした。
LESS IS MORE?(より少ないことは豊かであるbyミース・ファン・デル・ローエ)
LESS IS BORE?(より少ないことは退屈であるbyロバート・ヴェンチューリ)
この辺りのサジ加減って難しい所である訳ですが。。。
三重県で注文住宅を建てるリビングモチーフキキです。