『家を除いて』という前置き付きながら、多くの場合、『人生で購入する高額な物理的な形を持つもの』としまして(要は保険なども人生における高額物になりますが日常的に目にすることも手で触れることもしませんのでここでは除くという意味です)、自動車が筆頭に挙げられると思います。
(もちろん拘った趣味をお持ちの方はそういった趣味のモノが何せ高額と言った場合もあると思いますが、話を簡単にするため一旦高額物は自動車に限定します)。
そんな中、家とその他の高額物との大きな違いは『現物があるかどうか』ということがひとつ言えるのではないかと思います。
つまり、家以外は幾ら高額とは言え、どこかで同じものを所有されてる方がいたり、どこかで見れる可能性があったり、少なくともネットに同じものの写真・動画・レビューなどを確認できる場合が多いのではないかと思います。
その唯一無二で、自分の家の細かな部分などを『既に持っている人と比較ができない』といった部分が家づくりの難しさであり、楽しさであるとも言えると思います。
また図面を読むということも一般的には慣れてらっしゃる方も多い訳でもありませんので、ここも話が難しくなる要因になってくるとも思います。
例えば(例えとして適切がどうか些か自信はありませんが)、日本に旅行で来ている方や、日本に住みだしてまだ日が浅い方に何かを伝えようとした時、僕だとなるべくゆっくり話したり、色々な言い方をしてみたりと、何せ伝わるまで色々試すということをきっとします(逆に僕が日本語圏外にいる時はそうして欲しいと思うと思うはずのことです)。
それを家に置き換えるとどういうことかと考えてみますと、見やすい図面があることは大前提ながら、模型や各展開図、各部位ごとに詳細資料を整え、ご覧頂くということになるのではないかと思います。例えば展開図がなく平面図だけだとスイッチ・コンセント位置がお施主様と施工会社側の設置位置が完全に一致するということは難しいはずですし、少なくとも面で見た場合の壁全体のバランスを俯瞰することは出来ないのではないかと思います。
上記のようなことであり、お施主様にはご面倒・厄介なこともあるだろうとは思いますが、なるべく多くの材料をこちらでご用意させて頂き、かみ砕いてお伝えできるようにと心がけております。
何せ世にふたつと無い家というモノを(しかもとても高額!)、人生で1度のチャンスでお施主様と二人三脚で取り組ませて頂くことになる家づくりですので、建築会社側で考え付く資料は出来る限りご用意させて頂き、少しでもイメージの共有がさせて頂ければありがたい、そして結果『イメージ通りである』とか『思った通りの家になった』と仰って頂ければありがたいと考えております。