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ペットファーストな家づくり計画 ~犬・猫と快適に暮らすための動線&素材選び~

公開日:2024/12/28(土) 更新日:2025/01/16(木) 家づくりコラム

「家」は、人間にとって安らぎの空間であると同時に、家族として暮らすペットにとっても大切な生活環境です。

特に、犬や猫は多くの時間を室内で過ごすことが多いため、その住環境が健康や行動、ストレスに与える影響は少なくありません。

近年では、ペットを「飼う」という感覚から、「ともに暮らす」という意識への変化が進み、住宅設計においてもペットを大切に考えた「ペットファースト」の視点も注目されています。

 

この記事では、ペットと快適に暮らすための動線設計や素材選び、設備面のポイントをご紹介します。

愛するペットとの暮らしを、より豊かで快適なものにするためのヒントを、ぜひ参考にしてみてください。

 

ペットファーストの住まいづくりとは

 

人間主体から「共存」への発想

従来の住宅計画は、どうしても「人間中心」の設計が多かったかもしれません。

しかし現在は、ペットも家族の一員として位置づけ、「ペットも快適に過ごせること」を前提とした家づくりも注目が集まっています。

住環境がペットに与える影響は大きく、不適切な環境はペットにストレスを与えたり、健康を損なう原因となることもあります。一方で、ペットがリラックスして暮らせる空間を作ることは、結果的に飼い主にとっても居心地の良い住まいづくりにつながります。

 

ペットの習性を理解することが第一歩

ペットファーストの住まいづくりを実現するには、愛犬・愛猫の習性や行動特性を理解することが大切です。

 

  • 犬の場合:散歩後の足を拭くスペースや、水飲み場へのアクセスをスムーズにする工夫が喜ばれることがあります。また、犬によってはリビングで家族と過ごすのを好む一方、落ち着ける隠れ家のようなスペースを求める場合もあります。
  • 猫の場合:高い場所への移動を好む習性があり、キャットウォークやステップを設けると喜ばれることが多いです。また、外を眺められる窓際や爪とぎができる場所、落ち着ける静かなスペースの確保も重要です。

こうした特性を把握したうえで、ペットがのびのびと暮らせる環境が”ペットファースト”のお家づくりでもあります。

 


動線計画のポイント

ペットも人も心地よいレイアウト

1. ペットの生活エリアを明確にする

犬や猫が主に過ごす場所を特定し、その周辺環境を整えることが重要です。リビングがペットの主な生活エリアなら、散歩から帰った際に玄関から直接、足洗いスペースやペット用のタオル収納場所を経由してリビングに入れるようなスムーズな動線を計画すると良いかもしれません。

 

2. スムーズなアクセス動線
  • :散歩後に足を拭く、シャンプーをするなどのケアがしやすいよう、玄関近くにペット用シンクを設けると便利です。そのままリビングやペット専用コーナーへ移動できる導線があれば、汚れや水滴が家中に広がるのを防ぐこともできます。
  • :トイレや餌場は、猫が落ち着いて使えるよう、人の通行が頻繁でない静かな場所に配置しましょう。また、上下移動を好むため、キャットウォークやステップを廊下やリビングに設置すると、猫にとって魅力的な移動ルートが生まれます。

 

3.  家族間のスムーズな動線

人とペットが快適に行き来できる動線を計画することで、家族全員が過ごしやすい環境を作ることができます。たとえば、脱走防止のためのゲートやスライドドアを設置することも一つの方法です。

 


素材選びのポイント

丈夫で掃除しやすく、ペットに優しい

1. 床材:滑りにくく、傷が目立ちにくい素材

犬や猫はフローリングが滑りやすいと関節に負担がかかり、特に高齢ペットではケガのリスクも高まります。滑り止め加工が施されたフローリングや、ペット用クッションフロア、コルク材など、ペットの足腰に優しい素材もあります。また、引っかき傷が目立ちにくい素材を選べば、インテリアの美観を長く保てるかもしれません。

 

2. 壁材・内装:爪とぎ対策と汚れ対策

猫は爪とぎを好み、犬も場合によっては壁を引っ掻くことがあります。爪とぎに強いクロス(壁紙)や、消臭・抗菌機能をもった壁材を選ぶことで、ニオイ対策や傷対策に有効です。特にペット用クロスは消臭効果やひっかき傷に強いコーティングが施されていることが多く、快適な空気環境を保つ助けにもなります。

 

3. 汚れ・ニオイ対策がしやすい素材

ペットがいると、毛やヨダレ、抜け毛、時には粗相(トイレトラブル)など、汚れの原因が増えがちです。撥水性(はっすいせい)のある床材、表面がツルンとして拭き取りやすい壁材や、ペット専用塗料を用いれば、定期的な掃除が負担になりにくくなります。

 

室内環境・設備の工夫

快適な空気とプライベート空間

1. 空気循環と換気設備

ペットの抜け毛やニオイ対策には、こまめな換気が欠かせません。24時間換気システムや、高性能フィルター付きの空気清浄機を導入すれば、室内の空気を常にクリーンに保てます。特に猫はニオイに敏感なことが多く、清潔な空気環境がストレス軽減につながります。

 

2. 温度・湿度管理

犬や猫は人間以上に温度や湿度の影響を受けやすい生き物です。床暖房はペットにとっても快適な暖かさを提供できますし、夏場はエアコンやサーキュレーターなどで快適な室温をキープするのも良いと思います。また、直射日光が過度に入る場所には、ペットが涼める陰を作るなどの工夫をしてみるのも良いですね。

 

3. ペット専用スペースの確保

リビングにペット用のクッションやベッドを設置するだけでなく、落ち着いて休める「隠れ家」的な場所を用意することもひとつのアイデアです。特に猫は、静かな部屋の片隅やカーテン裏など、自分だけの居場所を求めることが多かったりします。犬の場合も、小型犬は安心できるクレートやドーム型ベッド、大型犬は広めのスペースがあるとリラックスできるはずです。

 

 


安全性への配慮

脱走・誤食・ケガ防止

1. 脱走防止策

猫や小型犬の場合、玄関ドアを開けた瞬間に飛び出してしまうリスクがあります。二重扉(風除室のような小さな前室)を設けたり、ペット用ゲートを設置したりすることで、外への脱走を防ぎ、安全性を高められます。

 

2. 家具・インテリアの配置

ペットが棚やテーブルを倒したり、コードを噛んだりしないよう、家具配置やコード処理にも気を配りましょう。電気コードをカバーで保護したり、壊れやすい物をペットの届かない高さに置いたりといった配慮が必要です。

 

3. 庭やバルコニーの安全確保

屋外へ出られる環境がある場合、フェンスの高さや隙間、飛び越え防止策に注意が必要かもしれません。猫が簡単に飛び出せないようなネットや格子を設置したり、犬が飛び出せない十分な高さのフェンスを用意しましょう。庭に植える植物も、ペットに有毒なものは避けるなどの注意が求められます。

 

流行りより「本当に必要なもの」を

近年は、ペット関連の設備やアイデアが豊富に提案されています。

キャットウォークやペット専用洗い場、足洗いマット付きの玄関、フローリングの代わりにペット対応タイルやクッションフロアなど、選択肢は増え続けています。

けれど、本当に大切なのは「ご自宅のペットの性格・習性」「ご家族のライフスタイル」「予算」の”バランスをとること”でもあります

 

どれだけ流行りの設備を取り入れても、ペットが使わなかったり、飼い主が掃除やメンテナンスに追われてストレスを感じるようでは本末転倒です。

必要性やメリットをしっかり吟味し、ペットと飼い主がともに快適な暮らしを送るための設備や素材選びを意識してみましょう。

 

結果として、家族全員が心からくつろげる空間が生まれる可能性が高まります。

ぜひ、ご自宅の家づくりにも参考にしてみてください。

 

  


 

三重県で注文住宅を建てるリビングモチーフキキです。

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